ワイヤー矯正とは?

歯並びや噛み合わせを整える矯正治療の中でも、一般的で幅広い症例に対応できるのが「ワイヤー矯正(ブラケット矯正)」です。
歯の表面にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して持続的に力をかけることで、理想的な歯列へと導きます。
目立たない装置も登場し、見た目への配慮も進んでいます。
機能性と審美性の両立を図りたい方にとって、有効な選択肢です。
マウスピース矯正に関する情報はこちら
ワイヤー矯正の基礎知識

矯正は何歳からでも始められますか?
治療の開始時期は症状によって異なりますが、お子さまの場合は歯並びの変化に気づいた段階で、なるべく早めのご相談をおすすめします。高齢の方も矯正は可能ですが、むし歯や歯周病などがある場合は、事前にきちんと治療された健康な歯であることが前提となります。

治療期間と通院頻度について
ワイヤー矯正の治療期間は、おおむね6か月~3年程度が目安です。その後は後戻りを防ぐために、1年間ほどの保定期間が必要となります。矯正装置を装着している間は、月に1~2回の通院が一般的です。定期的に通うことで歯の動きもスムーズになり、治療の進行も順調に保てます。忘れずに通院しましょう。
ワイヤー矯正の特徴・メリット
幅広い症例に対応可能
軽度の歯列不正から、外科的処置を必要とするような複雑なケースまで対応可能です。
効果がわかりやすい
ワイヤーによって持続的に力をかけるため、徐々に変化が可視化され、モチベーションの維持にもつながります
装置の選択肢が豊富
目立たないクリアブラケットやホワイトワイヤー、舌側矯正(裏側矯正)など、見た目に配慮した装置も選べます。
細かい歯の動きが得意
一本ずつの歯の位置を細かく調整できるため、複雑な歯列にも柔軟に対応できます。
ワイヤー矯正の装置の種類と特徴
装置タイプ | 特徴 | 見た目 | 対応症例 |
---|---|---|---|
メタルブラケット | 一般的で強度が高く低価格 | 金属色が目立つ | すべての症例に対応 |
セラミックブラケット (上下顎3番~3番) |
目立ちにくい素材 | 白く自然な印象 | 軽~中等度の症例に適する |
裏側矯正(舌側矯正) | 歯の裏側に装着 | 表からは見えない | 症例によっては不可 |
ワイヤー矯正とマウスピース矯正を選ぶ際のポイント
- 歯並びの状態
- 顎の骨格やかみ合わせ
- どの程度の矯正を希望されるか
- ライフスタイルや生活習慣
矯正方法や治療期間は、患者さま一人ひとりの状態によって異なります。
そのため、複数の要素をふまえた上での総合的な判断が求められます。
歯科医師とよく相談しながら、納得のいく治療方法を一緒に選んでいきましょう。
矯正をご提案するケース

歯並びの乱れがある場合
出っ歯(上顎前突):前歯が前方に大きく突き出ている状態
受け口(下顎前突):下の前歯が上の前歯より前に出ている状態
開咬:上下の前歯がかみ合わず、隙間が空いてしまっている状態
叢生(そうせい/乱杭歯):歯並びがでこぼこして重なり合っている状態

噛み合わせに問題がある場合
過蓋咬合(深い噛み合わせ):上の前歯が下の前歯に深くかぶさっている状態
交叉咬合:上下の歯が横にずれて噛み合っている状態

顎関節に違和感がある場合
顎の関節に痛みや違和感がある方は、歯並びや噛み合わせの改善が必要なこともあります。
歯科矯正は見た目だけでなく、全身の健康にもつながります
審美性の向上
歯並びが整うことで、笑顔に自信が持てるようになり、前向きな気持ちで日々を過ごしやすくなります。
発音の改善
発音が不明瞭になる原因のひとつに歯並びの乱れがあります。矯正によって発音がはっきりする可能性があります。
口腔内の清掃性アップ
磨き残しが減ることで、むし歯や歯周病のリスクを軽減し、より清潔な口腔環境を保ちやすくなります。
消化機能のサポート
しっかり噛めるようになることで消化が助けられ、胃腸への負担も軽減されます。
頭痛・肩こりの軽減
噛み合わせのバランスが整うことで、顔まわりや首・肩の筋肉が正しく使えるようになり、不快な症状の緩和が期待できます。
ワイヤー矯正
治療の流れ
【初診】カウンセリング・検査 90分
①カウンセリング
はじめに、患者さまのお悩みやご希望をじっくりと伺います。
「歯並びが気になる」「前歯だけ治したい」「目立ちにくい装置がいい」など、不安やご希望は人それぞれ。
矯正が必要かどうかを含めて、現時点での大まかな治療の方向性や選択肢についてご説明します。
ご相談だけでも大歓迎ですので、お気軽にご予約ください。
②精密検査
矯正治療を始める前に、以下のような詳細な検査を行います。
・レントゲン撮影
・口腔内写真の撮影
・3D口腔内スキャナ「iTero(アイテロ)」口腔内撮影
・歯周病検査
矯正相談のみをご希望の方へ初診の患者さんでカウンセリング・検査なしで矯正相談のみご希望の場合は、有料(約5,000円)となります。
お悩みやご希望を聞かせていただき、相談内容に応じて当院資料を用いながら、丁寧に説明いたします。
【治療計画のご説明】

初診検査の後には、検査結果をもとにしたカウンセリングを行います。お口の状態や診断内容を、レントゲン画像や口腔内写真などを用いながら、できるだけわかりやすくご説明いたします。
納得と安心を大切にしたカウンセリングで、前向きな矯正治療の第一歩を踏み出しましょう。
【精密検査】

矯正治療を正確に進めるために、さらに詳しい検査を行います。
口腔内の状態や顎の骨格、歯の位置などを多角的に確認し、診断のためのデータをしっかりと整えます。
【検査結果のご説明と治療プランのご提案】

検査の結果をもとに、現在の歯並びやかみ合わせの状態、必要な治療内容についてご説明いたします。
患者さまのご要望も伺いながら、一緒に治療の方向性を決めていきます。納得して治療を始めていただけるよう、費用・期間・装置の種類なども詳しくご案内し、患者さまにとって最適な治療計画を立ててまいります。
【矯正前の治療と装置の取り付け】

むし歯や歯周病などの問題が見つかった場合は、矯正装置を装着する前に治療を行います。
お口の中を健康な状態に整えたうえで、ワイヤーなどの矯正装置を装着し、治療を開始します。
【矯正治療中のチェックとお口のケア指導】

矯正中は、歯に装置がついていることで汚れがたまりやすく、むし歯や歯肉炎のリスクが高くなります。
そのため、月に1回程度の通院で、歯の動きや装置の状態を確認しながら、正しい歯みがき方法やお口のケアについてのアドバイスも行います。
治療をスムーズに進めるために、定期的なチェックと日々のケアがとても重要です。この期間の目安は約6か月~3年です。
【矯正治療終了~保定期間(約1年)】

歯が理想的な位置に移動した後も、それを安定させる「保定期間」が必要です。
この期間に、歯が元の場所に戻ってしまうのを防ぎ、きれいな歯並びをしっかりと定着させていきます。
矯正治療の成功を確かなものにするための、大切なステップです。
【定期健診:アフターメンテナンスと予防ケア】

長い治療期間、おつかれさまでした。
治療後もお口の健康をキープするために、定期的なアフターメンテナンスをおすすめしています。
お口のトラブルを早期に発見・予防することで、将来的な大きな治療を防ぎ、心身の健康維持にもつながります。
【予防歯科スタートの目安:3か月ごとの受診がおすすめ】お口の中のチェックとクリーニングで、いつもリセットされた状態を保ちましょう。
小野歯科医院では、治療ではなく健康管理を目的とした「予防歯科」にも力を入れています。
食事・睡眠・生活習慣を含めた予防管理を大切にし、1回約4,000円(※内容により個人差あり)でご案内しています。
治療費の目安
- 検査(顔と歯の写真、レントゲン撮影、歯の型取り)
診断結果説明(コンサルティング) - 33,000円(税込)
矯正治療(大人)
- マウスピース全顎矯正(インビザライン フル)
- 847,000円〜957,000円(税込)
- マウスピース全顎矯正(インビザライン ライト)
- 462,000円(税込)
- マウスピース前歯のみ(インビザライン エクスプレス)
- 242,000円(税込)
- ワイヤー(ブラケット)全顎矯正
- 847,000円〜957,000円(税込)
- ワイヤー(ブラケット)限局矯正(部分的な矯正治療)
- 165,000円〜462,000円(税込)
矯正治療(子ども)
- マウスピース全顎矯正(インビザライン ファースト)
- 517,000円(税込)
- ワイヤー(ブラケット)全顎矯正
- 847,000円(税込)
- マイオブレース矯正
- 495,000円→330,000円(税込)
メンテナンス
- 調節(装置の調節と治療の効果の確認)
- 3,300円(税込)
- 観察(歯の萌えかわりや咬み合わせの確認)
- 3,300円(税込)
※矯正治療費用はクレジットのご利用や分割払いもできます。詳しくはスタッフまでお尋ねください。
Q&A
矯正治療に関するよくある質問をまとめました。
そのほかの質問も気軽にお尋ねください。
全般
Q. なぜ歯並びが悪くなるのですか?
A. 遺伝の影響に加え、成長期の口腔機能の発達不足や、食生活・姿勢・指しゃぶりなどの癖が影響することもあります。
生活習慣や発育のバランスが乱れると、歯並びに影響が出やすくなります。
Q.何歳頃に相談すればいいですか?
A.小児矯正は6歳頃までのご相談が理想です。大人の方も、気になった時点でなるべく早くご相談ください。症状によって適したタイミングは異なります。
Q. 大人になってからでも矯正できますか?
A. はい、可能です。健康な歯と歯ぐきがあれば、年齢を問わず矯正治療を受けていただけます。ただし、高齢の方は治療期間がやや長くなることがあります。
Q. 治療期間や費用はどのくらいかかりますか?
A. 症状によりますが、治療期間は平均で6か月〜3年ほど、その後に1年間の保定期間が必要です。
費用の目安については、別ページに詳しく記載しておりますのでご確認ください。
Q. 通院のペースはどのくらいですか?
A. おおよそ月1〜2回の通院が基本です。忘れずに通うことでスムーズに治療が進みます。治療計画に基づいて、最適な間隔でご案内いたします。
Q. 矯正のために歯を抜くこともありますか?
A. 歯を移動させるためのスペースが必要な場合は、抜歯が必要になることもあります。歯並びの乱れが強いケースでは、その可能性が高くなります。
Q. 目立たない矯正方法はありますか?
A. はい、目立ちにくい装置もご用意しています。例えば、歯に装着するブラケットは金属製のほか、透明なセラミック製も選べます。
また、取り外し可能な「マウスピース矯正(インビザライン)」であれば、さらに目立たず治療を進められます。
痛みが少ないマウスピース矯正(インビザライン)について
治療中
Q. 矯正装置をつけると、痛みはありますか?
A. 痛みをまったく感じない方もいらっしゃいますが、多くの場合、治療開始から3〜4日ほどは、歯が浮いたような違和感や軽い痛みを感じることがあります。痛みが少ない矯正方法としては「マウスピース矯正(インビザライン)」も選択肢のひとつです。
痛みが少ないマウスピース矯正(インビザライン)について
Q. 装置をつけたままでも、今まで通りに食事はできますか?
A. 食事は可能ですが、装置が壊れやすい硬いもの(氷・キャラメル・ナッツなど)は避けていただくのが安心です。また、むし歯のリスクも高くなるため、食後のケアも大切になります。
Q. 装置をつけたままでも、歯みがきはできますか?
A. はい、歯みがきは可能ですが、汚れがたまりやすくなるため注意が必要です。装置がある状態での適切なみがき方については、歯科衛生士が丁寧にアドバイスいたします。
Q.装置をつけたままでも、スポーツや楽器は続けられますか?
A. 続けられるものも多いですが、ボクシングや柔道など接触のあるスポーツは装置が破損する可能性があるため、できるだけ避けることをおすすめします。必要に応じて「スポーツ用マウスガード」の使用をご案内しています。
Q. 矯正中にむし歯ができたらどうなりますか?
A. むし歯ができた場合は、一度矯正治療を中断し、むし歯治療を優先します。装置を外して治療することもあるため、矯正期間が延びる可能性もあります。予防と早期発見が大切です。
Q. 矯正中に引っ越しや転勤になった場合はどうなりますか?
A. ご希望があれば、新しい居住地近くの歯科医院をご紹介できる場合があります。治療をスムーズに引き継ぐため、必要な資料(X線写真・歯型・治療記録など)を作成しお渡ししますので、早めにご相談ください。